満を持して2018年7月と9月(Advance)に発売された新型フォレスターですが、
フルモデルチェンジで安全性は向上したのでしょうか。
近年、各社で先進的な安全技術を競っているようですが、スバルではどんな安全技術を提供しているのでしょうか。
今回は自動ブレーキの効きなど、具体的なところにも注目してフォレスターの安全性について調べてみました。
スバルフォレスターは運転しやすいのか?
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新型フォレスターは分類的にはボディサイズが大きいミドルクラスSUVのクラスになります。
先代(4代目)フォレスターと比べて、全高はほぼ変わりませんが、全長が4,595mmから4,625mmと30mm、
全幅については1,795mmから1,815mmと20mm、ホイールベースは2,640mmから2,670mmと30mm、
大きくなりました。
こうした大きさの変更もあって、「運転がしにくくなった」という声もあるようです。
しかし実際には、ホイールベースの拡大によっても、最小回転半径は先代に比べて0.1m大きくなった
5.4mですので、クルマの取り回し自体は先代と変わらず良い状態を保っています。
運転しにくく感じるのは、むしろ車両感覚をはじめとした感覚的なところが原因と思われます。
その一つの要素として、死角の多さが考えられます。はじめてこの大きさのクルマを運転される方なども、
死角の多さは大変気になるところだと思います。
もちろんボディサイズが大きくなると当然死角は多くなりますので、その対策は新型フォレスターの安全対策と
リンクする形でいろいろなされているようです。
例えば、運転しているうえで一番危険に感じられるのは、運転席から左斜め視界ですが、
今回の新型フォレスターでは、ミラーの取り付け位置の改良はもちろん、
視認性をよくなるように鏡面そのものを含め、新たにミラーを開発。
この対策により、歩行者やバイクが車の死角に完全に隠れてしまうことはないように工夫されています。
その上、下の写真に示したようにサイドミラーにカメラを取り付け、
アイサイトセーフティプラス機能に含まれているサイドビューモニターによって、
側方視界をカバーできるようになっています。
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また、最近はスタイリッシュなSUVの流行もあって、主にデザイン面から、
クルマの先端が運転席から見えないクルマが増えていますが、新型フォレスターは初代からの箱型デザインを継承、
エンジンフードの左右を若干高めにデザインするなど、無理のない運転姿勢で、
クルマの最先端ギリギリまで確認することができるように工夫されています。
実際、運転席に座ってみると、ガラスエリアが驚くほど広く感じられるようです。
大きくて、垂直に立ったフロントガラスの採用と、オフロードも走行可能な本格的SUVということで、
運転位置も高く設定され、視界の良さは十分に確保されているようです。
このように、自然な姿勢で視界を確保されているため、車体感覚をつかみやすいクルマとなっていおり、
ボディサイズの変更に伴う「運転のしづらさ」は解消されていると思われます。
むしろ、車体感覚をつかみやすく、運転しやすいクルマに仕上がっているのではないでしょうか。
スバルフォレスターの安全はどうなのか?自動ブレーキの効きは?
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さて、新型フォレスターの安全性はどのようなものでしょうか。また、自動ブレーキはどうでしょうか。
スバルの自動ブレーキといえば、「アイサイト」ですが、今回すべてのグレードにアイサイト(Ver.3)を標準装備。
スバルの誇る安全技術を出し惜しみなく装備しているという点で素晴らしいと思います。
アップグレードされたアイサイトの中でも、誤発進抑制機能は「自動ブレーキの効き」という点で
特筆すべきものではないでしょうか。
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先代のアイサイトでは、クルマ側が「踏み間違い」と判断した場合、エンジン出力を抑制するというシステムでした。
それでも、充分危機的状況は回避できたのですが、駐車場が傾斜しているなど、状況によっては、
ゆっくりですが衝突してしまう危険性もありました。
しかし、今回の新型アイサイトでは、自動ブレーキ機能を介入させることで、「踏み間違い」とクルマが判断すると
直ちに完全に停止できるように変更されました。これは大きな進化ですね。
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また、新型アイサイトでは、ツーリングアシスト機能ということで、アクセル、ブレーキ、ステアリング操作を
自動制御する機能が搭載されました。
同一車線を走る限り、これらの操作をほぼ全自動で行ってくれます。
これはすごいですね!
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さらに、常に白線を意識し、車体を道路中央に持ってくるようにステアリングしてくれるのです。
高速道路などの運転が非常に楽になる機能ですが、さらに素晴らしいことに、
スタンダードモデルのTouringはじめ、すべての車種でこの装備が搭載されています。
これは、ぜひ試してみたい機能ですね。
このほか、クルーズコントロール機能が拡大し、時速0kmから120kmまでコントロール
(実際には130kmまでセット可能か)することができるようになりました。
実際に、クルーズコントロール機能を利用(100kmに設定)して高速道路を運転したところ、
時速70kmで走る車を前方にとらえると、ごく自然に減速、車間をキープしてくれるようですし、
渋滞に巻き込まれた際も、完全に0kmまで落として停止。非常にスムーズで人間が操作するよりも、
不安感がない運転となっているようです。
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総じて、ただ安全に走行するだけではなく、運転する人の疲労軽減にも役立つような、
「運転する人本位」に立った自動ブレーキシステムというところが、素晴らしいですね。
アイサイトも誕生から11年目になるようで、技術の積み重ねが感じられるシステムになってきました。
スバルフォレスターの横滑り防止機能の性能を知りたい!
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さて、上記のような安全性能を誇るスバルフォレスターですが、横滑り防止機能(VDC)も注目すべき
ポイントではないでしょうか。
この装置は、今や軽自動車にも標準装備が義務付けられていますが、スバルは横滑り防止機能に加えて、
シンメトリカルAWDという、スバル独自の4輪駆動システムを持っています。
これは、水平対向エンジンを含むパワートレーンが直線上に並び、左右対称になっているため、
荷重のかかり方が4輪すべてにバランスよいばかりでなく、低重心となるため、
タイヤが接地する際に安定性が高くなっています。
SUVでは、どうしても車高が高くなりがちで、高さから来るふらつきや、緊急時のステアリングと
クルマの反応の間に時差が出てしまいがちでしたが、
こうした低重心と接地面での安定性が確保されているために、緊急時の回避操作にも、
クルマが素早く反応することができるようになっています。
このため、VDCによって、クルマのコントロール限界付近で4輪個別のブレーキ制御を行う際でも、
最大にその効力を発揮することができます。
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さらには、「アクティブ・トルク・ベクタリング」機能によって、クルマが旋回した際、
VDCによって内輪側にブレーキをかけることで相対的に外輪側の駆動力を大きくし、
旋回機能を高めることができます。
つまり、スバル独自のシンメトリカルAWDと横滑り防止機能(VDC)、プラス
アクティブ・トルク・ベクタリングの3つの「合わせ技」によって、
さらに悪路や緊急時の姿勢確保が容易となり、安全に走行できる、ということですね。
実際に、高速道路で危機回避操作をされたお話など伺うと、「スピンしそう!」と思われた瞬間、
VDCが作動。急激にトラクションが回復し、素早くバランスを取り戻した上に、他車両を避けるために
アクセルを踏み込んで加速したのですが、その踏み込んだ通り力強く加速。
無事危機を回避することができたそうです。
その時の感覚は、「左右を押さえつけられて前に引っ張られるような」感覚だったとのことです。
もちろん、このような状況が訪れないように安全運転を行うのが最善ですが、
どうしても自分だけが気を付けていても、他の車から危険が及ぼされる場合もあります。
安全性能の過信は禁物ですが、実際にこうして回避できたお話を伺うと、スバルが長年積み上げてきた
(シンメトリカルAWDのレイアウトは1971年発売の初代レオーネから、水平対向エンジンに至っては、
実に1966年発売のスバル1000から!)技術の蓄積の厚さに、ただただ感服するばかりです。
以上、今回は新型フォレスターの運転しやすさ、安全性能について調べてみました。
どちらも、クルマのデザインと、新型アイサイトの実力、また、スバルが積み重ねてきた様々な技術によって
担保されていることが分かりました。
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また、単に安全というだけではなく、運転する側に立った安全設計や、クルマの周りまで見通した
機能の装備など、しっかりした思想と、実際的な対策、双方に立脚した安全技術が施されています。
SUVの本質、という問いに対する一つの答えが新型フォレスターではないでしょうか。
→スバルフォレスターの安全性と自動ブレーキについてはこちらでも紹介してます!